 |
怪我、傷、打撲、捻挫、骨折など、組織が損傷を受けると損傷部分から侵害刺激と言う痛みの信号が出ます。その信号は脊髄神経を伝い大脳に入力され痛みの部位や種類大きさを認識します。しかし怪我や傷も無いのに激しい痛みを我々はしばしば経験します。腰痛・頭痛・肩の痛みなどはレントゲンやMRIなど画像診断を行っても異常が発見できない事の方が多いのも事実です。また、傷、怪我などが治った後も痛みが消えなかったり、気候によって痛みが再発をするのは何故でしょう。
例えば膝の痛みでは膝の軟骨が磨り減ったのが痛みの原因であると説明されることがあります。軟骨が磨り減り、磨耗したことが本当に痛みの原因であるならば、痛みの楽な日と、痛みの強い日があるのはなぜでしょうか?磨耗し損傷した膝関節の状態であれば、痛みは常に有るはずです。何故痛みに変化があるのでしょう、これは腰痛や他の関節の痛みも同様のことが言えます、形状の変形変質が痛みの原因では無いと言う事ではないでしょうか。
■天気が悪くなると体が痛くなるのは何故?
曇りや雨の降る前など天候が悪いと体のあちらこちらが痛くなったりだるくなったりする。
反対に良く晴れた日には体の調子が良く気分までが良くなる。
これは天候、特に気圧と自律神経が密接な関係にあるからです。
気圧が変化する事で晴れたり曇ったりにと天候が変わります。
気圧が高くなると白血球中の顆粒球が活発に反応します。
顆粒球とペアの関係にあるのが自律神経の交感神経。顆粒球が活発に働くことで交感神経も活性化されます。
交感神経が活性化されると伝達物質であるノルアドレナリンが分泌され痛みが抑制され元気になります。
気圧が低くなると白血球中のリンパ球が活発に反応しペアの関係にある副交感神経が活性化されるます。
自律神経の交感神経と副交感神経はシーソーの関係にあり、どちらかが亢進すると、もう片方は抑制されます。これにより天気の悪い低気圧の時は痛みを抑える効果のあるノルアドレナリンの分泌が抑制され痛みを感じやすくなり体はだるくなり気分も優れなくなります。
また気圧は空気の濃度にも大きく影響を与え、気圧が低くなると空気が薄くなり、体に取り入れる酸素の量が低下し体の機能低下を招く大きな原因となります。
痛みも含め人間の機能調整は体内環境を気圧、温度などの体外環境の変化に適応させる事。
これ等の機能は大脳を含めた中枢神経系と末梢神経系の働きによるものであり神経系の調整によりこの機能を正常に働かせることが出来ます。
■痛みの抑制システム
人間は神経システムで痛みを抑制する機能が備わっています。痛みを伝える細くて速度の遅い神経を、筋肉などの情報を伝える太くて速度の速い神経が抑制する関係にあります。
例えば、長く寝すぎた時、腰が痛くなる事があります。これは寝ている間に筋肉の動きが低下し筋肉の状態を伝える太い神経の機能が低下し、痛みを伝える細い神経の働きを抑制することができず、痛みの情報が大脳に入力されて痛みを感じてしまうからです。起き出して体を動かしているうちに筋肉の機能が回復し、太い神経が痛みを抑制し楽にします。また手や足をぶつけた時、摩ると痛みが楽になります。これはぶつけた場所を摩る事で圧力や触覚を伝える太い神経を活性化させ、痛みを伝える細い神経を抑制するからです。
痛みを感じているときは、痛みの抑制システムが何処かで低下を起こしています。その低下を起こす原因として酸素不足、刺激の低下、栄養の低下があります。身体の何所でこの三条件が低下しているのかを探し出さなければ痛みの改善にはつながりません。
■生体警告システム
痛みは辛いものであり無ければこれほど快適なことはありません。
確かにその通りです、頭痛・寝違い・五十肩・腰痛・膝の痛み等々これらで苦しんでいる方々はたくさんいます。
そんな苦しくて辛いだけの『痛み』 何のためにあるのでしょう。
痛みを全く感じる事の出来ない人がいます『無痛症』と言われる病気です
痛覚を伝達する神経は針などを刺した時に『チクッ』とした鋭い痛みを伝えるAδ線維。針を刺して鋭い痛みの後に起こるジワーっとした鈍い痛み、慢性時の痛みなどを伝えるC線維の2種類の神経線維が痛みを中枢へ伝達します。
末端の受容器の欠損、痛覚を伝達するAδ・C線維の機能、中枢神経の痛みを司るエリヤの欠損などで痛みを感じる事が出来ないと骨折や怪我をしていても気が付かないまま命に係わる大きな問題にもなりかねません。
痛みが発生すればその場所に何か重大な事が起きていることを知らせ保護する重要な働きをしています。
また痛みは脳を活性化させる最終手段としても働きます
中枢を含めた神経系は酸素・栄養・刺激により生存活性化しています。
栄養や酸素は機械で強制的に供給することは可能ですが中枢神経への刺激の供給は難しく、最終的な手段として痛覚を発生することで中枢神経を活性化し生存を図ろうとします。
辛いばかりの痛みですが体にとっては必要な生体システムです
|
 |
小さい頃、お腹が痛い時にお母さんがお腹を優しくさすってくれると、痛いお腹が楽になった経験はありませんか?
これはお母さんの子供を思いやる事での不思議な力の効果もありますが、お腹をさする事で皮膚の圧覚や触覚の受容器が刺激されます。
上記でも述べたように圧覚や触覚を伝達している神経線維は伝達速度が速く太い神経です、この太くて速い神経が内臓からの痛みを伝える細くて遅い神経を抑制してお腹の痛みが和らぎます。
|
 |

しびれを伝える神経線維は痛みを伝える神経線維と同じです
強ければ『痛み』 弱ければ『しびれ』に感じます。
更に弱い痛みが『かゆみ』であり一番弱い痛みが『くすぐったい』と感じます
時には『くすぐったい』は心地よく感じる事があります
全て同じ神経線維Aδ・Cを使用しているため感じ方は違っても全て同じ
痛みの信号です。
敏感でくすぐったがりの人は痛みを感じやすい状態と言えます
『しびれ』は酸素に深い関係があります
正座をして脚がしびれた経験があると思います。
膝から下が体重により圧迫されると血行障害が起き酸素の運搬機能が低下し膝から下に酸素不足が起き始めると感覚神経である太い神経の機能が低下します、太い感覚神経は脊髄や視床で細い痛覚神経を抑制して痛みを抑えているので感覚神経が低下することで軽い痛みが脳に伝達されシビレを感じます。
更に圧迫され酸素が低下すると運動神経が低下し脚が麻痺してシビレさえも感じなくなり動けなくなります。
血流が低下すると酸素運搬が低下し痛みの抑制機構が働かなくなりシビレや痛みを脳が認識します
|
 |
筋肉の収縮はミオシンとアクチン2種類のタンパクが結合することで起こります
ミオシンにATP(アデノシン三リン酸)が結合するとアクチンは解離し筋肉は弛緩します
筋肉への酸素供給が低下するとATPが不足しミオシンとアクチンの結合が強くなる、つまり筋肉の収縮がよりいっそう強くなり痛みを生じまる、これが筋肉痛です。
また体内の酸素濃度が低下するとミトコンドリアの働きが低下、これにより乳酸が分泌、蓄積し筋肉が酸性化すると起こるのが疲労です。
筋肉痛も疲労感も原因は酸素供給の低下です。酸素の供給が充分であれば疲労感や筋肉痛は起こりにくくなります。
|
 |
脳と脊髄神経は三層構造から成る髄膜で被われています。一番外側に硬膜、その内側をクモ膜、一番内側を軟膜と言う構成になっています。
軟膜は直接脳や脊髄神経に接しています、軟膜とクモ膜の間は脳脊髄液により満たされており、栄養や酸素供給のための血管が走っています。この血管が何らかの原因で破裂し出血してしまうのがクモ膜下出血です。
脳脊髄液で満たされた硬膜は風船の様に脹らんでいますが脳脊髄液が減ってしまうと空気の抜けた風船の様にシワがよってしまいます。この脳脊髄液が減ってシワがよると一番外側の硬膜に付着している疼痛線維が刺激されて頭痛や首、肩に痛みを発生したり全身症状を発生したりします。
脳脊髄液は脳室で作られ供給されます、頭蓋骨と仙骨を調整することで脳室での脳脊髄液の分泌を促すことで硬膜由来の痛みが解消されます。
|
|
|
|
| 一覧に戻る |