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カラダと施術の話(呼吸)
呼吸の役割
呼吸は体内に酸素を取り込み、各臓器、組織に供給しています。
空気中の酸素の割合は約20%です。肺から取り込まれた酸素を運搬するのは血液中のヘモグロビン(Hb)です。血液の赤い色を構成しているのがHbです。運動をした時、呼吸数が増え心拍数が上がるのは、筋肉の運動量が増えることにより、筋肉が酸素を消費する為、必要量の酸素を標的組織に運んでいるためです。酸素が必要なのは筋肉だけではありません。脳を含めた神経細胞、臓器、など身体の全てが酸素を必要としています。
酸素が不足すると
筋肉が酸素不足になると痙攣が起きます。久しぶりに子供の運動会で走っている途中、脚が痙攣を起こした、寝ていると脚がつるなどは血液の酸素運搬機能が低下して起こります。神経では酸素が低下すると痛み、シビレなどの異常知覚を感じやすくなり身体機能が低下し、頭痛や身体の痛みシビレ、めまい、慢性疲労、内臓疾患、精神疾患など、ありとあらゆる身体の不調が現れてきます。
酸素が不足する原因の一つは、口での呼吸です。口を開けて呼吸すると気管と食道の交差するところで物を飲み込む時と同じ状態になり、気管の入り口が閉まりかけ肺に空気が入りにくくなります。


右の図は食べ物を飲み込む時の喉の状態です。
a.食べ物を舌で喉の奥に送り込みます。
b.食べ物が気管に入らないように喉頭蓋が閉まります。
c.喉頭蓋が気管を密閉し食べ物が食道に入っていきます。
d.口を閉じ鼻で呼吸をしているときの喉頭蓋の位置


口で呼吸をすると(b)と同じ状態になります。
口は鼻の穴よりも面積が大きくても、気管の入り口は喉頭蓋が閉まり狭くなり肺に入る空気の量は少なくなります。
おまけに口から出入りする空気で咽の奥の粘膜が蒸発し扁桃腺がむき出しになり炎症を起こします。
その結果、風邪、アトピー、アレルギー、になり易くなります。
身体の調子の悪い人は皆、口呼吸になっています。
酸素は痛みにも大きな影響を与えます
生体システムには痛みを抑制する働きがあり、触覚・振動覚・位置覚などを伝える太い神経が脊髄や視床レベルで細い痛みを伝える神経を抑制しています。
太い神経は酸素が低下すると機能が低下し細い神経を抑制出来なくなり痛みの信号が脳に伝達され、シビレや痛みを感じてしまいます
筋肉の収縮、痙攣、圧迫、口呼吸などにより、体の局部的もしくは全体的に、血流低下や酸素不足が起こると痛みを抑制する働きが低下します。
運動機能を正常に保ち酸素をしっかりと取り入れることは痛みの防止予防につながります。


タバコの及ぼす影響
タバコは体に良くないと言うのはご存知だと思いますが、何故良くないのかタバコが呼吸に及ぼす影響を説明しましょう。
身体の中に取り込まれた酸素を運搬するのは血液中のヘモグロビン(Hb)です。
一つのヘモグロビンに対し酸素(O2)は一つしか吸着運搬できません。
つまり一台のヘモグロビントラックは、酸素を一つだけしか積む事ができずその状態で血液の中を運搬してゆきます。
ところがタバコの煙を体内に吸い込むとヘモグロビン1に対して、一酸化炭素(Co)が200〜300個吸着してしまいます。酸素1に対して一酸化炭素300の運搬になってしまい、タバコを吸っている時は、無酸素に近い状態です。
喫煙経験のある方は、初めてタバコを吸ったときクラクラとした経験があると思います、これは血中の一酸化炭素の量が増え虚血状態になったための貧血です。タバコを吸わなくても間接的に副流煙を吸い込んでも同じです。
 

 酸素と神経
人間の基本単位は細胞です、皮膚・筋肉・内臓・神経、全ては細胞から成り立っています。
細胞の生存条件は、刺激・栄養(グルコース)・酸素の三つです、このどれか一つまたは全てが不足していても細胞は正常に機能することができません。
特に神経細胞は酸素の影響を受けやすく、酸素が不足すると機能低下を起し、興奮しやすくなります。
『機能低下で興奮しやすくなる?』と不思議に思われるかもしれませんが、神経細胞は障害を受けたり血流低下などで酸素が不足し機能低下を起すと神経細胞は初期段階では興奮しやすくなります。
興奮しやすくなった神経細胞はちょっとした刺激で異常発火を起し、痛みや筋肉の収縮など色々な不具合を発生させます、この一番の原因が酸素の不足です。
鎮痛剤(痛み止め)も主な目的が交感神経を亢進させ血液の流れを早くし、目的の組織に酸素を届ける事で痛みを緩和させます。
呼吸はただ行っていれば良いと言うものではありません。
呼吸の方法により身体に取り入れられる酸素の量に大きな差が生じます、『酸素が不足すると』の項で紹介したように咽頭の構造により、口での呼吸は酸素の量が極端に低下します。勿論、大腰筋・腸骨筋(腸腰筋)広背筋・大胸筋・斜角筋・胸鎖乳突筋・腹筋などの呼吸筋の機能も大切な要素ではあります、しかしそれらの筋肉も口呼吸によって酸素が不足すると収縮を起し呼吸機能が低下すると言う悪循環を引き起こします
身体機能を維持する為には神経系に充分な酸素が必要不可欠なのです。
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